実験レビュー

  • ポストドクターコース(中学1~3年生)11月実験レビュー「コロイドの科学」

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    水に物質が溶けているものを水溶液と呼びますが、溶けるとはどういうことなのでしょうか?

    コロイドの科学
    水溶液に溶けている物質は、なくなっているわけではなくとても小さな粒になって、水の中に存在しています あまりにも小さいため粒は目に見えず、水溶液は透明に見えます。
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    でんぷん水などは水とでんぷんが混ざった状態のため、液は濁って見え、しばらくするとでんぷんの粒が沈殿します。
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    では、牛乳はどうでしょうか?透明ではないため水溶液とは呼べません。しかししばらくおいておくと牛乳の粒(?)が沈殿することもありません。 上のどちらとも性質が異なっていますね

    実は牛乳はコロイド溶液と呼ばれます。液体の中にコロイド粒子と呼ばれる粒が存在します。コロイド粒子は物質がある程度集まったもので、食塩などの分子よりも大きいため液は透明には見えません。今回の実験ではこのコロイド溶液を作り、水溶液などと比較してみました。

    用意したのは、塩化鉄水溶液、でんぷん水、塩化鉄のコロイド溶液です。 塩化鉄のコロイド溶液は生徒たちが自分で作成しました
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    まずは3種類の液体をろ紙ろ過してみます。
    ろ紙には目に見えない小さな穴が開いており、穴より小さな物質は通り抜けることができますが、大きいと引っかかってしまいます。
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    結果はでんぷん水のみ変化が見られました。でんぷんは粒が大きいため、ろ紙の上に残ってしまいました。

    次にろ過で変化の見られなかった2つの液体をセロハンに包んで水に入れてみます。セロハンはろ紙よりももっと小さな穴が開いています。
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    すると塩化鉄水溶液の方だけ水に色がつきました。粒子が小さいためセロハンの隙間を通り抜けていることがわかります。
    つまり粒の大きさを比べると 塩化鉄水溶液<塩化鉄のコロイド溶液<でんぷん水 となることがわかります

    皆さんの身のまわりにもこのようなコロイド溶液が多く存在しています。 この実験で使ったようなセロハンを使うと分かりやすいですが、 見た目が「透明でない」「しばらく放置しても沈殿しない」というものがコロイド溶液に当てはまります。 ぜひ探してみてくださいね




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