実験レビュー

  • マスターコース(小学3~4年生)12月後半実験レビュー「電子回路を科学する②」

    教室のあちこちで「キーーーーーーンッ!」と甲高いブザー音が鳴ってから、いきなり静まった教室。「あ...僕、聞こえる気がするかも...」とつぶやいた小学3年生の男の子。30歳を過ぎた私には聞こえない音でした...。
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    12月のマスターコース「電子回路を科学する②」では、音の高さを変えられるように、前回つくった電子回路を改造し、人間の耳には聞きとれない音を作り出しました。
    空気や水の振動が耳の鼓膜に伝わって聞こえるのが「音」です。ヒトに聞こえる音は1秒間に20~20,000回の振動(ヘルツ)です。それより振動が少なくても、多くても、人間の耳には捉えられません。さらに、歳を取っていくと、耳の中にある、高い音を感じる細胞が死んでいくため、聞き取りが難しくなっていきます。
    今回の電子回路では、電流の大きさを調整できる可変抵抗のダイヤルを回し、回路に流す電流を大きくしていくと、だんだんとブザーの音を高くできます。
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    ダイヤルを一番右まで回すと、音はやがて聞こえなくなります。「超音波だ!」と叫ぶ生徒たち。え、本当!? 超音波は人間には聞こえないのに? 本当に超音波が出ているって言える? というわけで、本当に超音波が出ているか、スマートフォンのアプリで振動数を確かめてみました。
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    「キーーーーン」という音。さすがに私も聞こえます(笑) 振動は2,500ヘルツですね。
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    続いて「キュイーーーン」という音。甲高いですが、私にもまだ聞こえます(笑)10,000ヘルツ。
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    「ヒュィーーーン・・・」という風切り音。なんだかかすれたような音です。大体17,000ヘルツ。私にはもう聞こえる限界です(苦笑)
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    「・・・・・・」。めいっぱいダイヤルを回した音。19,000ヘルツ。私には完全に聞こえませんが、確かに音は出ているようです。この辺りはいわゆる「モスキート音」と呼ばれる音で、聞こえる人と、聞こえない人が出てきます。超音波はさらに高い音になります。
    電子部品のブザーは、電流の向きを繰り返し逆にすることで、板を振動させ、音を発生させています。ブザーを鳴らすために大事な部品は2つありました。ひとつはトランジスタで「スイッチ」の役割。
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    もうひとつはコンデンサで、「1. 電気をためることができる」「2. 電気をためきると、電気を通さなくなる」性質があります。エアコンのオフタイマーのようなイメージです。
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    今回のブザーは、トランジスタの「スイッチ」と、オフタイマーの「コンデンサ」を組み合わせて、電気を流したり、止めたりして、板をふるわせて音を鳴らせました(この電子回路では、電流の向きを繰り返し逆にする=交流 を作り出すのは少し難しいため、電気を流したり、止めたりを素早く行い、似た効果を作り出しています)。
    さて、前回の実験では、確かに「トランジスタ」と「コンデンサ」を使いました。しかし、今回の実験では「コンデンサ」しか見当たりません。「トランジスタ」はどこに隠れているのでしょう? 最初の写真から考えてみてくださいね。



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