実験レビュー

  • ポストドクターコース(中学1~3年生)1月実験レビュー「質量保存則と質量変化」

    今回の実験テーマは「質量保存則と質量変化」です。
    化学変化の前後で質量がどのように変化するのかを実験で調べました

    質量保存則とは、化学変化の前後では反応に関係する物質全体の質量は変わらないというものです。

    まずは、密閉した容器内で、炭酸カルシウムと塩酸を反応させたときの反応前後の質量を比べました。
    ペットボトルに炭酸カルシウムと塩酸を入れた試験管を入れ、しっかりと蓋をした後、上皿天秤で反応前の質量をはかりました。
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    ペットボトルを傾けて炭酸カルシウムと塩酸を反応させ、再び上皿天秤で重さをはかってみると・・・
    21012901.JPG
    重さは変わっていませんでした。
    これは、反応により発生した二酸化炭素が、密閉したペットボトルの中に閉じ込められていたためです。

    その後、ペットボトルの蓋を開けてみると、プシュッと音がして二酸化炭素が逃げていきました。
    再びペットボトルの蓋をしてから、上皿天秤で重さを量ってみると...やはり重さは軽くなっていました

    次に、銅粉を加熱しました。
    まず、はじめに容器や銅粉末の重さを量っておきます。
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    加熱すると・・・虹色の模様が見えてだんだんと黒くなりました。
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    冷ましてから重さを量ってみると・・・
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    重くなっていましたね。

    銅粉を加熱すると酸素と結びつくので重くなりました。
    銅と銅に化合する酸素の質量比は4:1になるはずですが、今回の実験では、銅に化合した酸素は理論値より小さくなりました。
    これは何故でしょうか?ヒントは「酸素がないと化合ができない」です

    最後の実験は、クエン酸水溶液と重曹の反応です。
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    重曹1g、5g、10gをそれぞれ入れたペットボトルに5mLのクエン酸水を入れて反応前の質量を量りました。
    今度は蓋を開けたまま、ペットボトルを傾けてクエン酸水溶液と重曹を反応させると、シュワシュワと泡が発生しました。
    湯煎で温めながらほぼ泡が発生しなくなるまで反応をさせて、内部の気体を換気してから質量をはかりました。

    反応前後の質量の差が発生した二酸化炭素の質量ということになります。
    重曹1gのペットボトルには重曹の残留が見られませんでしたが、5gと10gのペットボトルには重曹の残留がありました。
    この実験結果を用いて、5mLのクエン酸水溶液とちょうど反応する重曹の質量を計算で求めました。

    化学反応だけではありませんが、科学実験においては理論通りにいかないこともあります。
    そのときに、それが何故なのか?ということをしっかり考えることが大切です。

    2020年度の授業はこれで最後でした。 2021年度の授業もお楽しみに

    栄光サイエンスラボ 吉祥寺校  鈴木

     




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